2024年、夏の終わり。スーパーの棚から米が消えた。
国内でほぼ自給できていたはずの「米」でさえ『食べたいのに手に入らない』。
その光景はまるで、来るべき“最悪の未来”の前触れのようにも見えた。
稲作とは日本の歴史そのもの。
米を守り、米を食べるということはそのまま、国土を守り、文化を守り、命を守ることに直結する。
今、日本は岐路に立たされている。私たちがたどり着く未来はどちらか。
米か、死か…。
この問いは決して、誇張などではない。
このままでいいのか!?
ノーアクションで進んだ
こっちがイイよね!
令和5年の調査で、田んぼを含む耕地面積は最大だった1961年から約179万ヘクタール減少しました。これは東京ドーム約389,000個分の面積に相当します。
出典:農林水産省「農地面積の推移(令和5年)」
「小さなダム」の役割を持つ田んぼが減少したことにより、中山間地域から都市部にかけて水害が頻発しています。これは「田んぼ」が、大雨の際に雨水を一時的に貯留し時間をかけてゆっくりと下流に流すことで洪水被害を防止・軽減する役割を果たしているからです。
出典:農林水産省「「田んぼダム」の手引き」
水田の休耕・耕作放棄は「乾田・谷津田・棚田や降水量の少ない地域」では生物多様性を減少させやすく、逆に「湿田、低地や降水量の多い地域」では生物多様性を増加させやすい、という研究結果が出ています。またその増減は生物群によっても差があり、両生類・魚類が最も減少しやすく、鳥類・哺乳類が増加しやすいのだそうです。
出典:農研機構「農業環境変動研究センター 2018年の成果情報」
このままでいいのか!?
ノーアクションで進んだ
こっちがイイよね!
日本の基幹的農業従事者は減少傾向が続いており、2020年は136万3千人と、2015年の175万7千人と比べて22%減少、15年前の2005年の224万1千人と比べると約39%減少しました。
出典:農林水産省「変化する我が国の農業構造」
また、帝国データバンクの調査では2024年に発生した米農家の倒産や廃業の合計数は過去最多を記録しました。
出典:帝国データバンク「「米作農業」の倒産・休廃業解散動向(2024年)」
2020年の基幹的農業従事者数のうち、65歳以上の階層は全体の70%(94万9千⼈)を占める⼀⽅、49歳以下の若年層の割合は11%(14万7千⼈)となっています。
出典:農林水産省「変化する我が国の農業構造」
農林水産省2020年の調査では「後継者を確保している」と回答した農家は24.3%、「直近引き継ぐ予定がない」事業者を除き、全体の約7割の農家は「後継者がいない」と回答しています。現実の問題として、近い将来の「廃業」を選択せざるを得ない農家は後を絶たないはずです。
出典:農林水産政策研究所 2022年度 研究ピックアップ「全国各地で農業経営継承の危機が深刻化―7割の経営体が後継者なし―」
このままでいいのか!?
ノーアクションで進んだ
こっちがイイよね!
食生活の変化や高齢化に伴い、米の1人1年あたりの年間消費量は、1962年度をピークに減少傾向となっています。ピーク時には一人あたり年間118kgの米を消費していましたが、日本が高度経済成長の時代を迎え、その後、食生活が大きく変化したこと等によって、令和3年度のお米の一人あたりの年間消費量は半分以下の51.5kgになっています。
出典:農林水産省「お米と食料安全保障」
炭水化物は「糖質と食物繊維」をあわせた総称です。糖質は体内でエネルギーに変わる重要な栄養素で、生命の維持になくてはならないものです。人が太ったり痩せたりするのは、「エネルギーの摂取と消費のバランスが取れていないこと」で起こるものであり、「糖質だから太る」ということではありません。どのような食事であれ、摂取エネルギーが消費量よりも多ければ、脂肪として体に蓄積されやすくなります。摂取エネルギーと代謝量のバランスが重要なのであって、お米を食べると太るということではありません。むしろ、お米を中心とした「日本型食生活」は、栄養バランスが良く健康的であることから、世界でも高く評価されています。
出典:農林水産省「お米と健康・食生活」
このままでいいのか!?
ノーアクションで進んだ
こっちがイイよね!
「食糧自給率」という指標を「カロリーベース」で算出するのか、「生産額ベース」で算出するのかには様々な議論がなされていますが、いずれにせよ、それが低下し続けていることと、他の先進国と比較して低水準であることは事実です。輸入が滞った際、果たして私たちは満足に食べることが叶うのでしょうか。
出典:農林水産省「日本の食料自給率」
2025年、一部放出されることとなり話題となった「政府備蓄米」は、毎年入れ替えを行いながら100万トン程度が維持されています。また、現在の日本のお米の生産量は年間約700万トンです。『「余ってしまうから」と生産調整をしてきたのだから有事の際にはお米を食べればいいのでは?』と思われがちですが、実はそう簡単なことではありません。例えば戦中・戦後、1日1人あたりのお米の配給量は2合3勺(約330グラム)でした。現在の1億2500万人に同じ量を配ると仮定すると1600万トン程度が必要になります(15歳未満は半分と仮定)。現在の生産量では備蓄米と合わせても必要数量の半分程度しか賄えない計算になります。
お米の自給率はほぼ100%です。「自給率がほぼ100%なら、バランスが取れているということでは?」 「日本の食料自給率が低いこととお米の消費の関連はあまりないのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、国民全員が一口多くご飯(お米)を食べると食料自給率が1%上げられるという試算もあります。毎日の食事で、「一口多くお米を食べる」「お米を食べる回数をもう少し増やしてみる」ことを実践すれば、食料自給率を向上させられることも覚えていてほしいと思います。お米を今よりも少し食べることも「備え」のひとつです。
農林水産省「お米と食料安全保障」
株式会社アサヒパックでは、日本の未来のため「ごはん食推進」に取り組んでおります。
私たちの想いや活動にご賛同いただける企業様を募集しております。
ご興味がございましたら、ページ下部の「問い合わせフォーム」より、どうぞお気軽にご連絡ください。
下記フォームに必要事項をご入力の上、ご送信ください。
受信後、ご質問内容をお調べした上、担当者よりご回答さしあげます。
(ご回答にお時間いただく場合がございますが、ご了承ください)
ご記入いただいた個人情報は弊社業務の範囲内で利用するとともに、適切な方法で管理し、
お客様の承諾なく第三者に開示することはありません。